院長の健康お役立ちコラム

~おたふく風邪~

今回はお出掛けしやすい気候になり、外食やピクニック等の機会が増える時期に注意して頂きたい「おたふく風邪」について紹介していきます。


おたふく風邪とは

正式名称を「流行性耳下腺炎」といい、その名の通り耳の前方下にある「耳下腺」という部分が炎症と腫れを起こし、しばしば発熱を引き起こします。 一度の感染で終生免疫(一生涯に渡って免疫ができる)がつきますが、大人になってかかる方もいます


症状は?

2~3週間の潜伏期(平均18日前後)の後、唾液腺の腫れ(耳下腺、顎下腺、舌下腺)や痛み、発熱といった症状が現れます。多くの場合、片方の唾液腺が腫れ、その後1~2日以内に反対側も腫れていきますが、片側だけしか腫れない人などもいます。 通常1~2週間で軽快します。感染しても症状が現れない不顕性感染がかなり多くあります。 しかし時には重症化し、合併症を引き起こすことでも知られています。 合併症として最も多いのは、髄膜炎であり、その他脳炎、難聴、膵炎などがあります。思春期以降では、睾丸炎や卵巣炎の合併を認めることがあります。約1,000人に1人が、回復不能な片側性感染音声難聴を起こし、両側性感音性難聴となる場合もあります。


予防と対策

普段からしっかり手を洗う習慣をつけておくことが大切です。 流水と石けんで十分に手を洗い、タオルの共用はひかえましょう。アルコール手指消毒薬も効果があります。せきやくしゃみが出るときは、マスクをつけましょう。 おたふく風邪の予防はワクチン接種で可能です。1歳から接種可能です(任意接種です)。ワクチンの有効率は90%程度でワクチン接種による副作用(無菌性髄膜炎、脳炎、難聴など)の報告は稀ですが、自然感染に比べて頻度は少ないです。 過去におたふくかぜに感染したか不明な方は抗体検査で調べることも可能です。 おたふく風邪の症状が疑われたら、医療機関に受診していただくことをお勧めします。


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