院長の健康お役立ちコラム
~前立腺肥大症~
おしっこの出が悪くなった気がする・・
夜、寝ているときに何度もトイレに行きたくなる・・
こんな症状があるけれど、わざわざ病院で診てもらうほどのことではない
と、思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は前立腺肥大症についてお話します。
前立腺肥大症とは?
前立腺は運動性を高める分泌液をつくり、精子を保護し栄養を与えるなどの役割があります。
クルミ大ほどの大きさで、膀胱のすぐ下にあり、尿道をぐるりと取り囲んでいます。
前立腺肥大症は、その名前の通り前立腺が肥大する疾患で、尿勢不良や頻尿などの排尿障害が現われます。
症状は?
初期症状としては、一般におしっこの勢いが悪くなる[尿勢不良]が起こります。
前立腺肥大症ではこのようにおしっこの勢いが悪くなるという症状がとても特徴的です。
その後、トイレに何度も行きたくなる[頻尿]が起こります。
このような不調があるにも関わらず放置しておくと、おっしこの勢いがさらに弱くなっていき、最終的にはおしっこが出なくなる[尿閉]という状態になってしまいます。
この尿閉状態になると、尿道におしっこを取るための管を入れる必要があり、それを定期的に交換する生活になってしまいます。
年齢が上がるにつれ、尿のトラブルはつきものです。ただし、それが病的なものであるかの判断を御自身ですることは難しいと思います。
前立腺肥大の原因
前立腺は先ほどもお話ししたように、加齢によって大きくなる傾向があります。
特に50歳を超えると肥大が起こりやすいと言われています。なぜ年齢を重ねると肥大が起こるのか明確な原因はわかっていませんが、生活習慣病や男性ホルモンの関与が指摘されています。
男性ホルモンに関しては、加齢によってホルモン分泌のバランスが変わることが影響していると考えられています。
治療方法は?
前立腺肥大症の治療としては、まず服薬治療から開始し、経過観察となります。
しかし、前立腺が大きく症状がひどい場合は外科的な手術やレーザー治療を行うこともあります。
前立腺肥大症を放置した結果、尿閉が続くと腎臓の機能障害の原因になることもありますので、お独りで悩まずに専門の医療機関への受診をお勧め致します。