Q. 最近、右手の親指にできものができていてたまに痛みがあり気になります。これはどのような病気が考えられるのでしょうか。
32歳 女性
A. 尋常性疣贅(イボ)という病気が考えられます。
尋常性疣贅とはヒトパピローマウイルスというウイルスが皮膚の小さな傷口などから侵入することで発症する病気です。
発症する部位としては全身どこにでも出来ますが、傷のつきやすい手足に出来ることが多いです。
治療法としては液体窒素を用いてイボを凍結して除去する凍結療法や、電気メスなどでイボを焼き切り除去する電気焼灼療法など様々な方法があります。
しかし、いずれも1回で完治することは少なく、1週間に1回程度の頻度で何度か通院していただき根気強く治療をすることが重要になってきます。
その他にもヨクイニンという漢方薬を服用していただくことや、サリチル酸の含まれる軟膏を塗布していただくこともあります。
尋常性疣贅は自然に治癒することは少なく、またウイルスの侵入による病気であるためイボを触った後に傷口などを触ると他の部位にも発症し、広がることもあるため専門の医療機関への受診をおすすめいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q. 最近、朝起きると全身がかゆく蚊に刺されたように赤く腫れるのですが、数時間で治まり翌日起きるとまたできています。これはどのような病気なのでしょうか。
24歳 男性
A. 痒みと蚊に刺されたような腫れがあり、数時間で治まることを繰り返すことから蕁麻疹が考えられます。
蕁麻疹とは何らかの刺激によって痒みを引き起こすヒスタミンという物質が体内で分泌することで発症する疾患です。
症状としては痒みや突然皮膚の一部が赤く盛り上がる(膨疹)といったものが多いです。
この痒みや膨疹は数十分から数時間で多くの場合は消失しますが次々に新しい膨疹ができ、長時間症状が続く場合もあります。
蕁麻疹は原因によって非アレルギー性蕁麻疹とアレルギー性蕁麻疹に大きく分けられます。
多くの場合は非アレルギー性蕁麻疹であり、冷水に触れた際などに皮膚温度の急激な変化によって起こる寒冷蕁麻疹や日光などの紫外線による日光蕁麻疹など様々のものがあります。
アレルギー性蕁麻疹とは食物や薬品などのアレルギー反応によって生じるものをいいます。
治療としては抗ヒスタミン薬を投与することで多くの場合は治癒します。
また、原因となる可能性のあるものを避けることで再発予防にもつながります。
蕁麻疹は多くの場合は軽症のまま治癒しますが、気道粘膜にできた場合は呼吸困難など緊急の処置が必要となることもありますので専門の医療機関への受診をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q. 最近、抜け毛が多くなってきた気がします。これはCMで放送されている AGAという病気なのでしょうか。
36歳 男性
A. まず、AGA(男性型脱毛症)は病気ではありません。
AGAとは男性ホルモンの分泌異常などが原因で発症する脱毛症の一種です。
髪の毛が生えてから抜けるまでのサイクルは毛周期といわれています。
毛周期は成長期・退行期・休止期で構成されていて、その中で最も髪の毛の発育を促している成長期が、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)によって妨げられることで発症するのがAGAといわれています。
治療としては一般的にAGAの進行を抑えるための内服薬を用いることが多いです。
また、AGAは病気ではないため医療保険が適応できず自費診療になります。
近年AGA治療薬のジェネリック薬品も販売されており、当院でも治療が可能です。
AGAは進行性の脱毛症であるため、治療をしない限り徐々に進行していきます。
気になるようでしたら専門の医療機関への相談をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q. 最近口周りに赤くただれていて、時々ヒリヒリと痛みや痒みがあります。これはどのような病気が考えられるのでしょうか。
23歳 男性
A. 口周りのただれやヒリヒリとした痛み・痒みといった症状から口唇ヘルペスが考えられます。
口唇ヘルペスとは加齢や疲労・ストレスなど様々なことが原因で免疫力が低下している際に、ヘルペスウイルスが活性化することで発症する病気です。
症状としては、主にはヒリヒリやチクチクといった痛みや水ぶくれ(水疱)・ただれがあります。
治療としては、抗ヘルペスウイルス薬(ヘルペスウイルスの増殖を抑える薬)の内服または軟膏を塗布していただくことが多いです。
また、口唇ヘルペスは免疫力が低下した際などに再発するため、十分な睡眠や食事などの日々の体調管理も再発予防につながります。
口唇ヘルペスは放置していると治療が難渋し難治性になることもあるため早期の治療開始が重要になってきます。
専門の医療機関への受診をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q. 数日前から腰の痛みがひどく、たまに尿が赤い時があります。これはどのような病気 が考えられるのでしょうか。
46歳 男性
A. 腰部の痛みと赤い尿(血尿)といった症状から尿路結石が考えられます。
尿路結石とは尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)にカルシウムなどが凝集してできた結石が 形成されることで発症する疾患です。
主な症状としては腰や背中の痛み、血尿などがあります。しかし、腎臓結石の場合は無症 状のまま経過することが多く、尿管などに落下(陥頓)した際に痛みが生じます。また、 尿路が結石によって閉塞することで、腎盂腎炎を併発し発熱がみられる場合もあります。 尿路結石は前立腺肥大症などによる尿路の通過障害や尿路感染、内分泌・代謝異常など様 々なものが原因となって発症しますが、半数以上は原因不明の突発性結石症といわれてい ます。
治療としては結石が大きく重症の場合は体外から衝撃波を与えて結石を破砕する方法や尿 道から内視鏡を入れ破砕する方法などの治療もありますが、軽症の場合は水分摂取を促が したり、結石の排泄を促がす内服薬や鎮痛薬などを用いて自然排泄を待つことが多いです。
尿路結石は排尿などの際に自然排泄されることもありますが、重症の場合は腎盂腎炎や腎 機能の低下・敗血症なども併発することもあるため専門の医療機関への受診をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q.毎年、この時期になると肘の内側に小さな赤い湿疹のようなものが出来、かゆみがあります。これは何なのでしょうか。
64歳 男性
A.肘の内側の小さな赤い湿疹と痒みといった症状から汗疹(あせも)が考えられます。汗疹とは汗を分泌する汗腺という部位がアカや汚れなどでつまり、発汗が妨げられることで皮膚の中で炎症を起し発症します。
症状としては種類によっても異なりますが、代表的なものでは肘や膝の裏、首周りなど汗をかきやすい部位に強いかゆみを伴う小さな湿疹がみられます。また、その他にはチクチクやヒリヒリとした感じや熱感などもみられる場合もあります。
治療としては、多くの場合は一過性のものであり自然治癒しますが、かゆみがひどく重症の場合はステロイド薬や非ステロイド系抗炎症薬の軟膏塗布、抗ヒスタミン薬の内服をしていただくこともあります。
また、皮膚の清潔を保つことや通気性のいい衣類を着用すること、涼しい場所で過ごすことなどが発症の予防にもつながります。
汗疹は掻いてしまうと皮膚に傷がつき、細菌感染を併発することもありますので重症の場合や症状が長引く場合は専門の医療機関への受診をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q.最近、日中汗をよくかき、めまいや立ちくらみが時折あります。これは熱中症なのでしょうか。
68歳 男性
A.大量の汗やめまい、立ちくらみの症状から熱中症が考えられます。
熱中症の症状は程度によって異なりますが、軽症では皮膚の乾燥や口渇感、めまい・ふらつきなどがみられ、中等症では頭痛や嘔気・嘔吐などがみられます。
重症では意識が朦朧としたり、身体の痙攣など最悪の場合は亡くなることもあります。
これらの症状が現れた際の応急処置としては、出来る限り涼しい場所(屋内や日陰など)に移動し、水分補給が可能な場合は電解質を含む経口補水液などで水分補給をすることです。
症状が重症で意識が朦朧としていたり経口での水分補給が困難な場合は救急要請も必要になってきます。
熱中症は軽度なものから重度のものまで様々な症状がありますが、適切な環境(温度・湿度)の調整や水分・塩分補給など熱中症を予防することが大切になってきます。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q. 先日、庭の手入れをしている際に毛虫に刺されました。数時間で痒みは治ったのですが、腫れが続いています。これは病院を受診したほうが良いのでしょうか。
68歳 男性
A. 虫刺されの症状は虫の種類などによって異なりますが、代表的なものでは腫れや痒みなどがあります。これらの症状は虫のもつ毒成分や唾液の成分に対するアレルギー反応による症状になります。
人を刺す代表的な生物は蚊や蜂、毛虫(蝶や蛾の幼虫)などがあります。
毛虫による虫刺されでは、チャドクガという蛾の幼虫による虫刺されが多いです。
チャドクガの幼虫に刺された場合は赤い小さな湿疹と強い痒みといった症状が現れます。
この他にも様々な毛虫がいますが、すべての種類が毒を持っているというわけではありません。
虫に刺された場合は掻いたり、擦ったりすることで炎症を悪化させたりとびひしたりすることもありますので、刺された部位を触らずに流水で洗い流し清潔にしたうえで、早期に医療機関への受診をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q.最近、頭皮のフケが多く痒みがあります。これはどのような病気が考えられるのでしょうか。
35歳 男性
A.頭皮のフケや痒みといった症状から脂漏性皮膚炎が考えられます。
脂漏性皮膚炎とは皮脂が多く分泌される部位(顔・頭皮・腋窩など)で起きる炎症性の疾患です。
症状としては局所(皮脂が多く分泌される部位)の痒みや発赤、皮膚の乾燥・鱗屑、フケといったものがあります。
脂漏性皮膚炎は、皮膚の常在菌であるマラセチア菌という真菌(カビ)が増殖することで発症します。
このマラセチア菌はストレスや生活の乱れ(睡眠不足など)、ホルモンバランスの乱れ、ビタミンB不足などによって皮脂の分泌が増えることで増殖します。
治療としては、症状に合わせてステロイド外用薬や抗真菌薬、抗ヒスタミン薬などを用います。このほかにも日常生活での注意点としては皮膚を清潔に保つことも治療・予防につながります。
脂漏性皮膚炎は放置していると、慢性化することもありますので専門の医療機関への受診をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦
Q. 毎年この時期になると花粉症で飲み薬を処方していただくのですが、飲み忘れてしまうことがあります。飲み薬以外でなにかいい方法はあるのでしょうか。
24歳 男性
A.花粉症はアレルギー性疾患の一つで原因物質としてはスギやヒノキ、ブタクサなど1年を通して様々なものがあります。
治療としては症状に合わせて抗ヒスタミン薬やステロイドといった薬を服用していただくことが多いです。
飲み薬以外の薬としては点眼薬や点鼻薬、注射といったものがあります。
点眼薬は目のかゆみや充血といった症状に対する治療薬として処方されます。
点鼻薬は鼻づまりや鼻の炎症に対する治療薬として処方されます。
これらの点眼薬・点鼻薬はいずれも局所に効き副作用も少ないと言われています。
次に、注射による治療にはステロイド注射というものがあります。
このステロイド注射は筋肉内に注入し、効果は約1年間持続すると言われていますが、消化器症状などの副作用が出現することもあります。
これらの治療は全て症状に対する対症療法となっています。
このほかに、注射や口腔内からアレルギーの原因物質を体内に少量ずつ注入する減感作療法などもあります。
これらの治療法以外にも花粉症には様々な治療法がありますので、専門医への相談をお勧めいたします。
西本クリニック
院長 西本和彦